Special Pub すすきのSTORY

本当に、夏がやってきた。

さっき、車の温度計は２９度になっていた。
しかし、どうしたことだろう？
北海市場に行っても、生協に行っても、ガランとしている。
あまりの急な夏空に、みんな恐れをなしたか？
涼しい風が吹きわたり、ポッコリ綿菓子が浮かぶ夏空に　思いっきり両手を伸ばした。
いやあ、こんな嬉しいことはないでしょう。

思い出すは、小学生だった自分の夏休み。
原っぱには　バッタが跳ねるだけ。　空き地の、木登り。
高い塀をまわした家が東屯田通りにあって、
塀のフシから覗くと、クジャクを何羽も飼っている不思議な空間があって、
盆踊りには、
それも東屯田通の桶屋のオヤジさんが普段は赤フン一丁でいるのに、
盆踊りのときは、女の着物を着て、日本髪のかつらを被り、
白塗りが気持ち悪かったけど、目が離せなかった。
朝は、ボール（鍋のときもあった。）を持って、大場の豆腐屋に行く。
一丁入れてもらって、おばちゃんは　その上に、白い紙を乗せてくれて、
水も入っているから、こぼさないようにゆっくりゆっくり歩いた気がする。
豆腐屋の向かいには、アイスクリーム屋さんがあって、
最中の皮に、詰めてくれるの。美味しかったな。

桶屋のオヤジさんがとっても大きな桶を作っている姿を　なんとなく覚えていて
カッコよかったのかなあ？　忘れちゃったよ。赤フンだったね。
もう、死んじゃったのかい？　死んじゃったよね。
だって、自分だって、本当に　イイトシになっちゃったんだもんね。