June 26, 2006
亀蔵日誌 生い立ち
伊賀 亀蔵。伊賀、今の三重県出身の彼はまさに伊賀忍者の末裔であろうと推察される。私生活はまったく謎に満ちている。無駄口をきかず、黙々とこなす計画的な仕事にまず間違いはない。一言頼んだらこちらの意向を汲み取り腹を読まれているようでそら恐ろしく感じることもある。
いつから竹屋の家に出入りしだしたのか、ちづるは知らない。 自分の仕事ばかりかまけていたが、そろそろ家のこともしっておかねばと考えたら、亀蔵がいた。
亀蔵の血には、戦国時代からの忍びのDNAが脈々と受け継がれているのだろうと ちづるは解釈した。だって、あんなに痛いこと普通の人は我慢できない。きっとどんな拷問をうけても口を割らない強さがあるんだわ。
そんな ちづるの意向を知ってか知らずか、亀蔵は精力的に庭仕事をこなした。
やがて半年後に現れる白くて美しい肌を想いながら、黒い痣に日焼け止めクリームを、たっぷり塗りこみ、まるで太陽に挑戦するように夏の日差しを燦々と受け止めた。
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