April 20, 2007

陽気に誘われて

 そこいらじゅうの雪は融け、私んちの北西壁の屋根から落ちた雪山だけになりました。
 つまり、うちは部分的に寒い。

 さて、この陽気に誘われて、自転車をこいでみました。 歩くとは違った筋肉の使いようで、特に腿にくるね。
 うちから歩いて1分で、発寒川にでる。そこの桜並木が、なかなか豪勢に美しく、毎年毎年外に出るたびにそいつの蕾のふくらみを観察するんです。
 まだまだ硬いツボミ。 
 川は雪解け水をあわせて轟々(ゴウゴウ)と流れる。ああ、またこの季節がやってきたんだな・・・と思う。
 あの日も、こうやって私は桜を見上げていた。五月の連休。 桜はほぼ満開で、空がすっきりと青くって、吹く風は心地よく、時を忘れ佇んでいた。
 やっぱり、雪解けの川は驚くほどの水量で、その音は交通量の多い道路の騒音もかき消していたほどだった。
 そんな夢見心地の私を携帯電話は引き戻した。幸せな気分で通話を開始した10秒ほど後に、悲しい現実を知らされた。
 川は、海まで注いで、また、他の川は、やっぱり海まで注いで、その水はつながっている。
 私の見つめていた川じゃない川に飲み込まれたという知らせ。もう3年になろうか。
 桜を見上げ立たずむ行為は何だか儀式のように感じることがある。
 兄が亡くなってから、自然の色が濃く鮮やかに、香りも又深く感じることが出来るようになった気がする。
 今年もまた、もうすぐその日がやってくる。