March 06, 2007
啓蟄 (ケイチツ)
先程、キッチンの三角コーナーに黒いハナムグリがついていた。 窓際のシクラメンの葉に乗せてやると元気に動き出した。ああ、今日は啓蟄だなと思った。とても暖かい。雪道は太陽にどんどん溶かされていく。 今夜は、二人、面接がある。 こちらも気合を入れてかからねばと思う。
最近、食に関して渇望することがない。 いったいどうしてしまったんだろう? 不思議。
そういえば、日曜日好いテレビ番組があったなあ。
歌麿の紫。 美人画で有名な、春画ともいうんだろうか。 いやいや芸術だろう。
我々の知らないフレッシュな歌麿が、スポルディング‐コレクションにあった。 儚げな露草の汁と紅を混ぜた紫は、長い年月に退色してしまって、それでも我々に歌麿だったのに、展示禁止のお蔵入りだったそれは、びっくりするほど鮮やかだった。
当時、1枚百円ほどの版画の中に、彼の芸術性と遊び心と、反骨精神がいっぱい詰まっている。
日本人で良かったと、日本人であることに誇りを持ちたいと思った。