March 02, 2007
危機管理と美学の崩壊
それは卓球大会の朝だった。 1週間の疲れが日曜日の早起きに響く。 いかん。初めての企画が滑ってはいかんじゃないか。とにかく元気を出そうと、弱った胃でも何か入れようと考えた。 時間が無いゆえ、手っ取り早い食品。 私は今まで何時だって食べて元気になっていたじゃないか。
暖かい居間のテーブルに、可愛いオムスビが2個乗っかっていた。昨夜の味噌汁を温め、おかかのオムスビを口に運んだその時、確かに異臭がした。
どうして、『気のせいだわ』などと思ってしまったのだろうか。1週間の疲れと、食べなきゃ元気になれない強迫観念が私の感を鈍らせたのか。 食べながら、気のせい気のせいと言い聞かせる自分がいた。
ぴったり、30分後。朝シャンの濡れ髪を拭きながら、それはやってきた。
1度目は、とても激しく、たやすく、身を任せ、果てた。2度目、3度目、4度目と、獣の咆哮、地獄の底から湧き起こる亡者の呻きに似た、とにもかくにも気持ち悪い発声繰り返し、首から上の繊細な血管はプチプチと音をたてた。 ポンプは擦り切れるまで頑張った。
全てを出し切った後、私の脳は緊張が緩んだのか、一気に血流が再開し、激しく痛み出したのだ。
普段からフレッシュな食品を心がけている。 疲れは正しい判断を鈍らせた。 胃は悪魔のオムスビを全て追い出したが、代わりに恐ろしい頭痛をプレゼントしてくれた。
いつだって危険なものには近づかないようにしていたじゃないか。
悔やみつつ、萎えていく。落ちていく。