December 29, 2006

追伸  昨日の事件

 ゆかりは頑張った。誰よりも1番頑張った。
うずたかく積まれた使用済みのグラスは、ゆかりの魔法の『でかい手』によって どんどん浄化されていった。
 「あっ!!」その美しい『でかい手』は、ちいさい悲鳴と同時に動きを止め、長い指の先端には みるみる赤い花が咲いた。
 ゆかりは、いっきに萎えた。今まで誰にも負けないと張り詰めていた気合は、(いたって感覚的にだが)プチプチとニューロンがはじけ、外からの刺激の伝達を停止し、ふぬけ と化した。
 ゆかりは もはや人間ではなくなってしまった。
人間失格。人間失格。おお、ゆかりよ、そんなに自分を責めるな。
 おまえに咲き乱れし美しい花びらを讃えよう!


 そして、どれくらい時が経ったのだろう。我に帰ったゆかりは力なく、1枚のコインを投入したのであった。


ちょっと、奥さん 知ってた〜?

変わったのよー。なんだか可愛くなっちゃったんじゃない!  今まで何十年も生きてきたけど、いったいどういう心境だったのかしら。電球屋さんったら。  だって、こういうもんだってすりこまれていたじゃない。  反則よね。でも、なんだか嬉しくなっちゃったわ。  ぷりちー!

で、今朝、考えていた頭の中の原稿はすっかり消えてしまった。 私は、失った記憶を辿るべく忘却の彼方に旅立とうと思う。
色即是空 空即是色 (解説・ある ということは 無い ということで 無い と言うことは ある ということである) 。。。解説になっていませんか。